冊子印刷時に紙の表面加工を行うときのポイント

冊子印刷用の印刷紙の表面加工を行うときは、印刷用紙やインク、印刷の状態などを考慮することが大切なポイントです。場合によっては、表面の加工ができなかったり、色々なトラブルが起きることがあるためです。 冊子印刷の用紙についていえば、一般的に、ビニール引きやプレスコートと上質系の紙は、相性が悪いと言われています。上質紙の紙は吸収性が良いため、塗料が紙に吸収されてしまい、効果が現れにくいのです。逆に上質系以外の紙との相性はよく、特にコート系の紙との相性は抜群です。


 また、ビニール引きやプレスコートなどの加工を行うときは、キロ連量135Kg以上の紙を使う必要があります。これは、インクや樹脂には粘度があるため、ある程度の厚みのある紙でないと、ローラーで塗料(樹脂)を塗布する際に紙を巻き込んでしまうからです。同じように、ラミネートを行う場合も制約があり、一般的にキロ連量が110kg以上の紙でないと、加工をした際に、紙がカールしてしまいます。110kg以上であれば、段ボールのように厚い物でも加工は可能ですが、同時に紙目にも注意する必要があります。加工時に横目になるようにしないと、紙がカールしてしまうからです。 表面加工をする前には、印刷の状態も十分に考慮する必要があります。


印刷終了後、インクが完全に乾燥しない状態で表面加工を行うと、インクが塗料などに含まれる溶剤に浸されて、変色やブリード(溶出)の原因にもなりますし、ラミネート加工の場合では、フィルムが剥離するトンネリングの原因にもなります。この対策としては、印刷後、インクを十分に乾燥させることです。 また、印刷インクの裏移り防止のために用いられるスプレーパウダーも、使いすぎるとフィルムや塗膜の浮きなどの原因になるため、使用量には注意が必要です。 さらに、冊子印刷に使われるインクそのものによっても、トラブルを生じることもあります。顔料を多く含んだインクや蛍光インクで印刷したものに表面加工を行うと変色する可能性があり、特色の金や銀インクは粒子が大きく表面が砂目状になるため、PP加工を行うと、フィルムのつきが弱くなって、剥離しやすくなります。剥離対策としては、使用する接着剤を変えたり、あるいはその使用量を多くして対処します。 変色については、色校正時に実際に表面加工を行って、どの程度の変化があるかを確認します。ただこの場合、加工前に使用するインクを加工会社に知らせておけば、そのインクに合った対応をしてもらえます。 以上のように、冊子印刷に際しては、加工やインクに細心の注意を払っていくことが非常に大切なのです。